C'est la vie

セラヴィ。「それも、人生」という意味のフランス語。教員を退職し、もう一度英語を学び直したり、価値観を広げたいと思って活動中。

学級目標の立て方及び決め方①

毎年学級目標を作っています。

しかし、3学期には何が学級目標だったか私自身が覚えていないこともありました。

形だけの学級目標になってしまって、日々の生活に活かせてなかったのです。

今年度は、学級目標をじっくりと考えさせ、それを軸にクラスを運営していきます。

 

1.学級とは?

そもそも学級とは何なのか…。

人の集まりを表す言葉を考えてみましょう。

「群れ」「集団」「チーム」などあります。

「群れ」は、ただの集まりです。そこには何も目的もありません。交差点や駅などに人が大勢集まっているときに、「群れ」と表されます。

「集団」は、何らかの目的があり、集まっている人たちです。スポーツで特定のチームを応援している人たちを表すときに、「応援団」と言われるでしょう。応援群とは言いませんね。

「チーム」は、どうでしょう。全国大会を目指して頑張っている野球部、サッカー部たちを「チーム」と呼びませんか。つまり、目標に向かって一緒に努力や協力をする集団をチームと呼ぶのです。

では、学級が目指す人の集まりは上のどれにあたるでしょうか。

ただの人の集まりである「群れ」、それとも目的を持った「集団」、一緒に努力し協力する「チーム」?

 

2.「チーム」になることの難しさ

上の話で、わかる人もいるかもしれませんが、「群れ」になることは簡単で、「チーム」になることは難しいわけです。

 今、目の前に10人の正義の味方がいたとします。正義の味方は、基本的に「孤高のヒーロー」です。正義の味方ですから、一人一人は正しい考えをもち、その優れた力で人々を守ります。しかし、一人一人の正義は違います。だから、しばしば対立をします。「この人は助けるべきだ!」いや「助けることはその人のためにならない!」、互いに正義を背負っているので、一歩も譲りません。互いの正義を実現するためにやがて、互いに傷つけ始めます。(最高のチームを育てる学級目標;赤松真二編著)

このたとえ話がわかりやすいですね。ヒーローですら、「群れ」になってしまう。

しかし、ここに強力な敵が現れたとしたら、どうでしょう。

もちろん、ヒーローが一人で戦っても敵わない敵です。

ここで初めて協力したいと思うのではないでしょうか。

敵が強ければ強いほど、そして倒す価値があればあるほど協力するものです。

そしてヒーローたちは「群れ」から「チーム」へ変貌していきます。

これは、クラスでも同じことが 言えるでしょう。

学級目標がクラスを「群れ」から「チーム」にしていきます。

達成することが難しいほど(諦めてしまうような目標は駄目ですが…)、

そして達成する価値があると思えれば思えるほど、学級目標はかけがえのないものになるはずです。

 

3.学級目標を決めるまで

私が一番気をつけたいと思うのが、学級開きをしてすぐに学級目標を決めることです。

なぜなら、クラス替えをして直後で、学級での生活を実感していないからです。

学級生活を数週間送る中で、学級に必要な目標というのが見えてくると思います。

私の勤務先は4月下旬に遠足があります。私はそれが終わってから学級目標を決めていきたいとも思っています。

しかし、遠足後、いきなり目標を決めましょうと言っても、生徒の頭の上には「?」が浮かぶでしょう。

4月上旬に、前振りをしておきたいと思います。

・学級目標が必要な理由

・4月下旬に目標を決めること

・普段の生活を送る中で、目標を考えて欲しいということ

以上の3点を話しておきます。

学級目標を考えておくことは生徒たちが忘れないためにも、それまでに定期的に簡単に学級目標を決めることを思い出させます。

 

次回「学級目標をどう扱うか②」では具体的な決め方を考えていきたいと思います。

<参考図書>