C'est la vie

セラヴィ。「それも、人生」という意味のフランス語。教員を退職し、もう一度英語を学び直したり、価値観を広げたいと思って活動中。

これで駄目なら 

オススメ度★★★☆☆

 

これで駄目なら

これで駄目なら

 

 アメリカのSF作家カート・ヴォネガットの講演原稿をまとめた本です。

これまで私が読んできたのは

 

国のない男

国のない男

 

  

タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF)

タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

 

猫のゆりかご (ハヤカワ文庫 SF 353)

猫のゆりかご (ハヤカワ文庫 SF 353)

 

 の四冊。今回で五冊目になります。

相変わらず、私の教養の無さだと思いますが、わからない…笑

アメリカの時事に対しての教養が必要なのでしょう。

でも、読みたいと思ってしまうのが、ヴォネガットです。

以下、心に残った文を引用します。

わたしは君たちが教育を受けてくれたことに感謝している。合理的になり、物事を知るようになったことで、君たちは自分たちのいるこの世界を、より理性的なものにしてくれた。君たちの卒業は、わたしが今まで聞いてきたニュースの中でトップを争ういいニュースであると伝えてお祝いの言葉としよう。懸命に勉強して、賢く、合理的な、物事をよく知る人間になったことで、君たちはこの小さな惑星、素晴らしく小さな、水をたたえた、青く緑の球体を、君たちが生まれる前よりマシなものにしてくれた。 

こんな思いで教育に携わりたいです。

君たちのうち何人が、学校にいた間のいつでもいい、生きて行く上の活力を、生きて行く上の誇りを、それまで自分に可能だと思っていた以上のものを与えてくれる教師に出会ったことがあるか。

とても、責任を感じる言葉です。

有り難う。そして、君たちと君たちをアメリカの大学で勉強できるようにしてくれた人々に栄えあれ。知識を得、理性的な、責任ある大人になることで、君たちはこの世界を君たちが生まれてくる前よりもよいものにしてくれた

勉強するということは、人類に貢献しているということだと思います。どんなに些細な勉強であっても。

アルフレッド・ノーベルはこの賞を、この星でもっとも価値ある住人たちが金の心配なく暮らせるようなものにしたかった。そういう人々の仕事は政治家や金持ちのパトロンの意向であっちこっちに振り回されたり、邪魔されたりしてはならないからだ。  だが、今では百万ドルもほんの一枚の白いチップにすぎない──スポーツとエンターテイメントの世界や、ウォールストリート、大企業の経営者への訴訟の賠償金なんかでは。

ノーベル賞の意義とは何か。ノーベルの思いは引き継がれているのだろうか。

わたしは、君たちが教育を受けてくれたことに感謝している。間抜けの山を前に話をしなくてすんだんだからね。君たちこの大学の卒業生たちにとって、これはとても遅くなった成人の儀式になる。わたしたち、つまり、君たちよりも歳をとっていることが一番の取り柄のわたしたちが、ついに君たちも成熟したんだと伝えるときがきたわけだ。

教育が人を成熟させる。中身のある教育をしていくことが使命だと思います。