C'est la vie

セラヴィ。「それも、人生」という意味のフランス語。教員を退職し、もう一度英語を学び直したり、価値観を広げたいと思って活動中。

曖昧な気持ちで留学しようとしている人必読『留学で夢もお金も失う日本人』

 

留学で夢もお金も失う日本人~大金を投じて留学に失敗しないために~ (扶桑社新書)
 

 リーマンショック以降、アメリカ留学費用はうなぎのぼりで、お金が足りなくて、退学する学生が増えているというショッキングな内容でした。

失敗しない留学が何なのか示唆しています。

本書は、商売っ気が無く、好感が持てる内容でした。

中途半端な気持ちで留学という選択肢を選ぶなというメッセージが伝わってきます。

留学を失敗しないでほしいという著者の想いなのだと思います。

これからの社会は英語ができることくらいが武器になるような、そんな甘いものではない。それより知り合いもいないアメリカに一人で渡って自分の力で生きていくことで自信を持つことのほうが、よほど大きな力になる。狭い日本の固定観念に縛られず、世界の価値観に触れることで自分の世界を広げて欲しい 。

 これは、留学を希望した親の言葉です。

日本人の留学生の目的は「英語を話せるようになること」が第一位にあがるらしいですが、世界の留学生の目的の第一位は、「学位をとること」らしいです。

英語を話せるようになることで満足しているという日本人の実態は、世界の学生たちとの意識の差を感じます。

はっきりいっておきたいのですが、大学のブランドでその人の価値が決まると思っているのは日本人だけです。アメリカ人は大学名やレベルにこだわりません。いい大学を出ているからいい会社に入って一生安泰という社会ではないからです。自分の価値をより高めたいと思ったら、大学院に入って学位を取得し、専門性を高め、アピールポイントを増やしていく。それがアメリカ人の考え方です 。

 日本人はブランド志向が強いですが、これからの世の中実力が問われていくでしょう。学歴も一つの人間を表す指標ですが、一面にすぎないと思います。実力をつけることが求められます。そんな意識をアメリカの学生は持っているというのです。

インターネットに頼るのではなく、もっともっと自分の目で、自分の肌で、自分の足で世界を見、感じ、これからの人間の生き方を考える若者を育てなければなりません。 

 テクノロジーの発展により、実体験が軽視されつつあります。VRなどもそれを促していくと思います。しかし、実体験こそ心に残るのではないかと思います。苦しみ、喜び、心を働かせてこそ、身についていくと私は思います。