C'est la vie

セラヴィ。「それも、人生」という意味のフランス語。教員を退職し、もう一度英語を学び直したり、価値観を広げたいと思って活動中。

「日本と英国における教員就職状況と教員の資質向上策」を読んで

日本と英国における教員就職状況と教員の資質向上策

http://www.jsps.org/advisor/documents/2009_report_Kaneko.pdf

上記の記事をたまたま見つけました。

少し古い記事ではありますが(大体10年前)、IOEについての記事は気になる内容でした。

もう少し似たような最新の記事があれば…。最高ですが…。

2教職員数及び役割

スタッフは、コースリーダー1 名、レクチャラー3 名、事務職員 1 名の構成である。

コースリーダーとレクチャラーの計 4 名が約 30 名の学生を担当している。特にコースリーダ ーは、すべての業務に携わりコース全体のケアをしている。

学生は、相談や質問がある場合は、適切な各担当者に相談することになるが、ほとんどは学 生個人の詳細な情報を持っているチューターに相談することが多い。

モジュールリーダーは、学生がモジュール(授業)を選択する際のアドバイスを、レクチャ ラーは学生のレポートの添削を最終提出まで面倒をみている。また、MA TESOL の学生はほぼ 全員がすでに職を持っているためキャリアアドバイスを行う必要がない。修了後は、各自元の 職場へ戻ることがほとんどである。Ms. Peries の主たる仕事は、事務的手続きに関する教員へ のサポート、学生や外部からの MA TESOL に関する質問への対応である。

 これを読むとわかるように、IOEのMA TESOLはかなりサポートがありますね。

チューターに相談できるのはありがたいかもしれません。

5留学生へのインタビュー

現役高等学校英語教員であり、文部科学省の大学院修学休業制度(※6)を利用して 2009年 10 月より MA TESOL に在籍している留学生にインタビューを行った。

・IOE 選択理由

教育分野において圧倒的に RAE のランクが高く、大学時代の教授も一流の大学だと推薦していたこと、また IOE のホームページで特徴として挙げている図書館の充実や周辺環境がよいことなど。

・授業

1モジュール(1授業)3 時間と長いが週に 2 日登校しているだけである。そのうち 1 日は 2 モジュールあるため、1 日中授業である。また、補習授業が充実しており目的に合わせて受講している。

・学生

IOE では、様々な国籍の留学生が学んでいる。各国の留学生が英国に集まるのは、英語圏で あるという理由があると思う。また、近年日本は留学生獲得に力を入れているようだが、日本で留学生を大量に受け入れるだけではなく、留学後のケアが重要となってくると思う。

・生活

学生個人にチューターがついており、細かいケアをしてくれる。学生は生活面、勉強面など あらゆる相談をこのチューターにすることになる。チューターは、学生の詳細な個人情報を把 握しており、一人ひとりに合った助言を行う。

RAEのランキングの高さは魅力的だと思います。

2014年のREFのEducationのランキングは以下のとおり。

1. Oxford
2. King’s College London

3. Nottingham
4. Sheffield
5. Cambridge
6. Durham
7. Cardiff
8. Exeter
9. Birmingham
10. Bristol
11. UCL A: Institute of Education

https://www.timeshighereducation.com/sites/default/files/Attachments/2014/12/17/g/o/l/sub-14-01.pdf

 学部で見るとまた印象が変わりますね。

ちなみに現在のホームページの情報によると、

Applicants normally need at least two years' full-time language teaching experience or part-time equivalent post first degree.  

 普通、少なくとも2年の教壇経験が必要ということです。

現在はどのような様子かはわかりませんが、貴重な情報ではないかなと思います。

 

次に教員の資質向上策についてであるが、日英ともに教員の資質向上を重要課題とし、改革 に取り組んでいる点では同じである。教員の研修機会を増やし、さらなる経験を積ませるとと もに改善を図っていくことは大変重要である。それと同時に、多忙である教員をサポートする システム構築も必要である。先にも紹介したが今回インタビューを行った MA TESOL の留学生 は、大学院修学休業制度を利用して留学しており、この制度も教員の資質向上、また今後の教 育現場における教員の指導力の向上・改善に有効である。留学生本人も学校を離れ、自分と向 き合う時間ができ、更なる自己研さんの機会を得たことに満足しているとのことであった。た だし、大学院在学中は、給料は支払われず、学費は自己負担である。経済面での支援が今後の 課題であろう。

 このように、まとめられていますが、10年経った今も同じ問題を抱えていると思います。

これを打開するきっかけになればと思うのが2020年の教育改革だと思います。

英語の大学受験が変わることで、教員の進むべき道も今までとは変わってくるのではないでしょうか。

もっと海外留学を経験した英語教員が増えていくのではないかと期待しています。