Chapter2-1「最終日」
2018年3月24日(土)は7年間勤務した私立中高一貫校の最終日でした。
中学3年生を担当していたのですが、義務教育終了式の後も特別授業という補習授業を行っていました。
生徒には退職することを黙っていたのですが、彼らは私が今日でいなくなるということを知っていました。
後で知った話ですが、同僚の先生がこっそりと教えていたようです。
区切りをしっかりとつけた方が良いと判断されたのでしょう。
生徒からサプライズのプレゼントがありました。
記録帳(日々の反省を書くノート)の中に挟んでいた手紙でした。
綺麗な便箋からルーズリーフに書かれた、個性のあるメッセージ。
そしてそれを入れる箱をくれました。
隣のクラスの子たちは写真とコメントのノートをくれました。
最後の挨拶の前に二人の生徒が元気な三本締めをしました。
一人一人、コメントを私へ言ってくれました。
そんな大した人間ではないのに…。と心の中で思いましたが、
子供たちにとっては大人は大きな存在なのでしょう。
たくさんのポジティブなメッセージと別れの言葉。
「先生のような教師になりたい」
「人生を大きく変えてくれた」
「ありがとうございました」
「頑張ってきてください」
そして、言葉にならない涙。
ある生徒の号泣に、私はもらい泣きし、クラスのたくさんの子たちが泣きました。
「最後に握手を一人ひとりしよう」と言いました。
言葉では伝わらない、一人ひとり違う感触は、冷たかったり暖ったり色々でした。
誰ひとり同じ人間はいない、かけがえのなさを感じたかったのかもしれませんし、
私自身の温度と言いましょうか、言葉では伝わらない何かを伝えたかったのでしょう。
こんなに泣いて笑った日は今日までそしてこれからないのではないでしょうか。
3年間という年月の中で、担任として良いときも良くないときも一緒に過ごし、
悩み戦ったからこそ今日という感動的な1日を味わうことができたのだと思います。
「一生懸命」その先には「感動」があり、「感動」の先には「幸せ」がある。
そして「幸せ」の中に「つながり」が生まれる。
ゴールに向かって仲間とともに「一生懸命」走る。
そんな生き方をしていきたいです。
普段泣かない私が泣けたことに感謝。
3年間担任を持たせてもらったことに感謝。
それだけ私にとって貴重な経験だったのでしょう。
次に良い涙が流せる日が来るように、私は1日1日を大切に過ごしていきたいと思います。
生徒たち、ありがとう。
私が教えた以上に、私はみなさんから教えられたと思います。